馬太傳福音書

馬太傳 第25章

1其(その)とき天國は燈(ともしび)を執(とり)て新郎(はなむこ)を迎(むかへ)に出(いづ)る十人の童女(むすめ)に比(なぞら)ふべし 2その中(うち)の五人は智(かしこ)く五人は愚(おろか)なり 3愚(おろか)なる者(もの)は其燈(ともしび)をとるに油(あぶら)を携(たづ…

馬太傳 第24章

1イエス殿(みや)より出(いで)ければ其(その)弟子すすみて殿(みや)の搆造(かまへ)を彼に觀(み)せんとしたりしに 2イエス彼等(かれら)に曰けるは爾曹(なんぢら)すべて此等(これら)を見(み)ざるか我(われ)まことに爾曹に告ん此處(このところ)に一(ひとつ)の石(…

馬太傳 第23章

1厥時(そのとき)イエス人々と弟子(でし)とに告(つげ)て曰けるは 2學者(がくしや)とパリサイの人(ひと)はモーセの位(くらゐ)に坐(ざ)す 3故(ゆゑ)に凡(すべ)て彼等が爾曹(なんぢら)に言(いふ)ところを守(まもり)て行(おこな)ふべし然(され)ど彼等が行(おこな)…

馬太傳 第22章

1イエス彼等に答(こたへ)てまた譬(たとへ)を語(かた)りけるは 2天國(てんこく)は或王(あるわう)その子(こ)の爲に婚筵(こんえん)を設(まうく)るが如(ごと)し 3婚筵(こんえん)に請(まねき)おける者(もの)を迎(むかへ)ん爲に僕(しもべ)たちを遣(つかは)ししかど…

馬太傳 第21章

1かれら橄欖山(かんらんざん)のベツパケに至(いた)りエルサレムに近(ちかづ)ける時イエス二人の弟子(でし)を遣(つかは)さんとして 2彼等(かれら)に曰けるは爾曹(なんぢら)むかふの村(むら)に往(ゆけ)やがて繋(つなぎ)たる驢馬(ろば)の其子(こ)と偕(とも)にあ…

馬太傳 第20章

1それ天國は朝(あさ)はやく出(いで)て葡萄園(ぶだうばたけ)に工人(はたらくもの)を雇(やと)ふ主人(あるじ)の如(ごと)し 2工人(はたらくもの)には一日に銀一枚(ぎんいちまい)を予(あたへ)んと約束(やくそく)をなし彼等(かれら)を葡萄園に遣(つかは)せり 3また…

馬太傳 第19章

1イエス此等(これら)の事を言畢(いひをは)りしときガリラヤを去(さり)てヨルダンの外(むかふ)ユダヤの境(さかひ)に至(いた)りけるに 2多(おほく)の人々從(したが)ひしかば此處(このところ)にて彼等(かれら)を醫(いや)し給(たま)へり 3パリサイの人(ひと)きた…

馬太傳 第18章

1其(その)とき弟子(でし)イエスに來(きたり)て曰けるは天國に於(おい)て大(おほい)なる者は誰(たれ)ぞや 2イエス嬰兒(をさなご)を召(よび)かれらの中(なか)に立(たて)て 3曰(いひ)けるは我(われ)まことに爾曹に告(つげ)んもし改(あらた)まりて嬰兒(をさなご)…

馬太傳 第17章

1六日(むいか)の後(のち)イエス ペテロ ヤコブその兄弟(きやうだい)ヨハネを伴(ともな)ひ人を避(さけ)て高山(たかきやま)に登(のぼ)り給(たまひ)しが 2彼等(かれら)の前(まへ)にて其容貌(すがた)かはり其面(かほ)日の如(ごと)く耀(かがや)き其衣(ころも)は白…

馬太傳 第16章

1パリサイとサドカイの人(ひと)きたりてイエスを試(こころみ)んとて天の休徴(しるし)を我儕に見(み)せよと曰(いひ)ければ 2彼等(かれら)に答けるは爾曹暮(ゆふべ)には夕紅(ゆふやけ)に由(より)て晴(はれ)ならんと言(いひ) 3晨(あした)には朝紅(あさやけ)また…

馬太傳 第15章

1時(とき)にエルサレムの學者(がくしや)とパリサイの人(ひと)イエスに來(きたり)て曰けるは 2爾(なんぢ)の弟子古(いにしへ)の人の遺傳(つたへ)を犯(をかす)は何故(なにゆゑ)ぞ盖(そは)食する時に其手(て)を洗(あらは)ざれば也 3答(こたへ)て彼等に曰(いひ)け…

馬太傳 第14章

1其(その)ころ分封(わけもち)の君(きみ)ヘロデ イエスの聲名(うはさ)を聞(きき)て 2その僕(しもべ)に曰(いひ)けるは是(これ)バプテスマのヨハネなり彼(かれ)死より甦(よみがへ)りたり故(ゆゑ)に異(ふしぎ)なる能(わざ)を行(おこな)ふなり 3前(さき)にヘロデ…

馬太傳 第13章30節~58節

30收穫(かりいれ)まで二(ふたつ)ながら長(そだて)おけ我(われ)かりいれの時(とき)まづ稗子(からすむぎ)を拔(ぬき)あつめて焚(やか)ん爲(ため)に之を束(つか)ね麥(むぎ)をば我(わ)が倉(くら)に收(をさめ)よと言(いは)ん○ 31また譬(たとへ)を彼等(かれら)に示(…

馬太傳 第13章1節~29節

1この日(ひ)イエス出(いで)て海邊(うみべ)に坐(ざ)せしに 2多の人々彼に集(あつま)り來(きたり)ければイエスは舟(ふね)に登(のり)て坐(ざ)し凡(すべて)の人々は岸(きし)に立(たて)り 3イエス譬(たとへ)を以(も)て多端(さまざま)の言(こと)を人々に語(かたり)…

馬太傳 第12章

1當時(そのころ)イエス安息日に麥(むぎ)の畑(はたけ)を過(すぎ)しが其弟子(でし)たち飢(うゑ)て穗(ほ)を摘(つみ)はじめたり 2パリサイの人これを見(み)てイエスに曰(いひ)けるは爾の弟子は安息日(あんそくにち)に爲(す)まじき事を行(なせ)り 3之(これ)に答(…

馬太傳 第11章

1イエスその十二弟子(でし)に示畢(しめしをはり)しとき此處(ここ)をさり道(みち)を敎(をし)へ廣(ひろめ)んが爲に彼等(かれら)の諸邑(むらむら)に往(ゆけ)り○ 2偖(さて)ヨハネ獄(ひとや)にてキリストの行(なし)し業(わざ)を聞(きき)その弟子(でし)二人を彼(か…

馬太傳 第10章

1偖(さて)イエスその十二弟子を召(よび)彼等に汚(けがれ)たる鬼を逐出(をひいだ)し又(また)すべての病(やまひ)すべての疾(わづらひ)を醫(いや)す權(ちから)を賜(たま)へり 2その十二(じふに)使徒(しと)の名(な)は左(さ)の如(ごと)し首(はじめ)にはペテロと名…

馬太傳 第9章

1イエス舟(ふね)に登(のり)わたりて故邑(ふるさと)に至(いたり)ければ 2癱瘋(ちゆうぶ)にて床(とこ)に臥(ふし)たる者(もの)を人々舁來(かききた)れりイエス彼等(かれら)が信(しん)ずるを見(み)て癱瘋(ちゆうぶ)の者に曰(いひ)けるは子(こ)よ心安(やす)かれ爾…

馬太傳 第8章

1イエス山(やま)を下(くだり)しとき多(おほく)の人々これに從(したが)へり 2癩病(らいびやう)の者きたり拜(はい)して曰(いひ)けるは主(しゆ)もし旨(こころ)に適(かなふ)ときは我(われ)を潔(きよく)なし得(う)べし 3イエス手(て)を伸(のべ)かれに按(つけ)て我…

馬太傳 第7章

1人の罪(つみ)を定ること勿れ恐(おそら)くは爾曹も亦(また)罪に定(さだめ)られん 2爾曹(なんぢら)が人の罪を定(さだめ)る如(ごと)く己(おの)が罪をも定(さだめ)らるべし爾曹が人を量(はかる)ごとく己も量(はか)らるべし 3なんぢ兄弟(きやうだい)の目にある物…

馬太傳 第6章

1なんぢら人に見(み)せん爲(ため)に其義(ただしき)を人の前(まへ)に行(なす)ことを愼(つつしめ)もし然(しから)ずば天に在(いま)す爾曹の父(ちち)より報賞(むくい)を得(え)じ 2是故に施濟(ほどこし)を行(なす)とき人の榮(あがめ)を得(え)ん爲(ため)に會堂(く…

馬太傳 第5章25節~48節

25爾を訟(うつた)ふる者と偕(とも)に途間(みち)にある時はやく和(やはら)げよ恐(おそら)くは訟(うつたふ)る者(もの)なんぢを審官(しらべやく)に付(わた)し審官(しらべやく)また爾を下吏(したやく)に付(わた)し遂(つひ)に爾(なんぢ)は獄(ひとや)に入(いれ)ら…

馬太傳 第5章1節~24節

1イエス許多(おほく)の人を見(み)て山(やま)に登(のぼ)り坐(ざ)し給(たまひ)ければ弟子等(でしたち)も其下(もと)に來(きた)れり 2イエス口(くち)を啓(ひらき)て彼等(かれら)に敎(をし)へ曰けるは 3心の貧(まづし)き者は福(さいはひ)なり天國は即(すなは)ち其…

馬太傳 第4章

1偖(さて)イエス聖靈(せいれい)に導(みちび)かれ惡魔(あくま)に試(こころみ)られん爲(ため)に野(の)に往(ゆけ)り 2四十日四十夜食(くら)ふ事をせず後(のち)うゑたり 3試(こころ)むる者かれに來(きた)りて曰(いひ)けるは爾(なんぢ)もし神(かみ)の子(こ)ならば…

馬太傳 第3章

1當時(そのころ)バプテスマのヨハネ來りてユダヤの野(の)に宣傳(のべつた)へて 2曰(いひ)けるは天國(てんこく)は近(ちかづ)けり悔改(くいあらた)めよ 3是(こ)は主(しゆ)の道(みち)を備(そなへ)その路線(みちすぢ)を直(なほく)せよと野(の)に呼(よべ)る人(ひ…

馬太傳 第2章

1夫(それ)イエスはヘロデ王(わう)の時ユダヤのベツレヘムに生(うま)れ給(たまひ)しが其(その)とき博士(はかせ)たち東(ひがし)の方(かた)よりエルサレムに來(きた)り 2曰(いひ)けるはユダヤ人の王(わう)とて生(うま)れ給(たまへ)る者(もの)は何處(いづこ)に在…

馬太傳 第1章

1アブラハムの裔(こ)なるダビデの裔(こ)イエス キリストの系圖(けいづ) 2アブラハム イサクを生(うみ)イサク ヤコブを生ヤコブ ユダとその兄弟(きやうだい)を生(うめ)り 3ユダ タマルに由(より)てパレスとザラを生(うみ)パレス エスロンを生エスロン アラム…